CHOCOのNYを生き抜くアーティスト対談〜10年前の君へ,10年後のあなたへ〜Profile4:森聡子

2018年06月01日
①森聡子
ピアニスト森聡子

NYでプロフェッショナルに活躍する実力派トップアーティスト対談シリーズProfile 4: 森聡子 (Satoko Mori: 以下SATOKO)

CHOCO:聡子さんは、2016年夏にニューヨークをベースに “ミュージカルにとらわれない劇団” として始動以来これまで約40公演をこなして来たLoop Troupe(以下ループ)の専属ピアニストやミュージカルディレクターとして活躍されていますが、グループには何人くらいの劇団員が所属していますか。

②Loop Troupeと
ループのショウ(写真後方、アコーディオン担当)

SATOKO:ループは約30人くらいの所属アーティストからなる劇団で、アクター、コメディアン、ミュージシャン、シンガー、カメラマン、ビデオグラファー、ダンサー、振付師、脚本家、作曲家、そして絵を描く人に至るまで、多種多様なアーティストたちで構成されています。全ての作品、曲、演出、舞台美術、大道具、小道具や衣装に至るまでオリジナルで、ほぼ手作りです。私もこれまで多くのミュージカル作品に携わって来ましたが、これほど一貫してオリジナル性を追求するグループは珍しいですね。

ライブコンサートだったり、パントマイムだったり、ストレートプレイだったり毎回形式が違うものを演り、「枠にとらわれず、誰もやった事がないもの」を目指しています。自分たちにしか出来ない唯一無二の作品を一丸となって現場で創り上げていく過程は、なかなか他では経験できません。

ループのショウ“Taking It Too Far” Reel(45秒)

CHOCO:昨年夏にも数週間に渡る公演をされていましたよね。すごい頻度で新作を発表していると思うのですが、作曲担当や脚本家の方は大変では。

SATOKO:アクター、ミュージシャンなどのパフォーマーやスタッフを
作品に合わせて揃えるため、今まで50~60人くらいの人たちが関わってきましたが、入れ替わり立ち替わりで役割も変わり、作品を作る人も複数います。2人しか出ない短編などもありますし、いつも曲を書く人が今回はアクターとして出たり、ギター弾く人が今回はドラム叩いたり、臨機応変になんでもやるんです。自分たちで全てやっていこうという意識で、お互いを刺激し学び合っていますね。

③Loop Troupeと3
ループのメンバー(写真中央)

CHOCO:何とも皆さん多才ですね。他にアジア人はいますか?

SATOKO:作品によってコラボなどで入る人はいますが、レギュラーとしては私一人で、メンバーの多くがニューヨーク近郊育ちです。ループは元々結成されていた団体で、彼らとの出会いは2017年の1月から2月にかけ4回公演したミュージカル、”マーサシポラ・フォー・ザ・プレジデント”にて私が全音楽を担当したのですが、そこで共演したのがループの一員で、スカウトされたのがきっかけです。

④Martha Chipolla For The President
ミュージカル ”Martha Chipolla for the President” (ピアノ担当)

“マーサシポラ・フォー・ザ・プレジデント”も、以前“ワンアクト・コメディフェスト”というイベントのミュージカルショウ“ザ・チャーム”という作品でミュージカルディレクターを担当した時スカウトされたので、ありがたいことに一つやれば次に呼んで頂く、というご縁が続いています。

⑤One Act Comedy Festival
ミュージカルディレクターを担当したOne Act Comedy Fest作品”The Charm”のメンバーと(写真右)

CHOCO:なるほど、しっかりと期待に応えたゆえ次に繋がるのでしょうね。いつも途切れることなくお声が掛かるのは、アーティストにとって本当にありがたい。

SATOKO:そうですね、でもオーディションを受けることもあります。2017年のクリスマス直前にやったオフオフブロードウェイ作品“ウィンターワンダーランド2017” は、オーディションで採用されて。週4日の公演が3週間続いた12回公演で、音楽担当が私ひとりだったので、なかなかハードスケジュールでした。

⑥Winter Wonderland 2017
オフオフブロードウェイ作品Winter Wonderland 2017(写真左から2番目前列)

CHOCO:これだけでなく、他にもオフ・オフブロードウェイのショウをご担当されていましたよね。

SATOKO:はい。これの他にも、2016年の3月から6月まで18回公演となったヤキ・ヤム・バンブーという子供向けミュージカルでは、ミュージカルディレクターのアシスタント兼伴奏者として、またザ・ワールドボイス・アンサンブルというNPO団体が2016年11月から12月にかけて6回公演をしたジーザスクライスト・スーパースターでは、バンドマスターとして出演しました。

⑦Yaki Yim Bamboo
オフ・オフブロードウェイミュージカルYaki Yim Bamboo(写真中央)
⑧Jesus Christ Superstar
The World Voice Ensemble主催Jesus Christ Superstar

ジーザス・クライスト・スーパースターは、「オペラ座の怪人」、「キャッツ」、「エビータ」などの作品を後に手がけた、ミュージカル界の重鎮である作曲家、アンドリュー・ロイド=ウェバーのデビュー作品で、オンブロードウェイはもちろん、イギリスのウェストエンド(英国ミュージカルの本場)や日本でも演じられている超有名作品なので、大変光栄でした。

⑨Jesus Christ Superstar
Jesus Christ Superstarではバンドマスターを(写真後方中央)

CHOCO:ご自身の活動のスタイルとしては、やはりミュージカルやシアター音楽が主ですか?

SATOKO:確かにシアター系は好きですね。でも以前日曜日にブルックリンの教会で4ヶ月ほどゴスペルを弾いていた時期もあります。

その他、マウントサイナイ・ベス・イズラエル病院で週に2回、2時間くらいソロで弾いていたことがあります。ルイ・アームストロング・センターという音楽療法科のオーディションで採用されました。他の出演で忙しくなって1年弱で終わりましたが、ある日当時病院で聴いてファンになってくださったという方から、お誕生日おめでとう、ってメッセージを頂きました(笑)一人で弾きっぱなしの二時間、たくさんの方々が足を止めて聴いて下さったり、興味深く話しかけて下さったのが嬉しかったです。

⑩Beth Isreal Hospital
ルイ・アームストロング・センター音楽療法科にてソロ演奏

CHOCO:それは嬉しいサプライズですね。そうやってニューヨークで精力的にアーティスト活動をすることに関して、何か心掛けていることはありますか?

SATOKO:とにかくディレクターの世界観を理解するように努めています。 一緒に演奏する他のミュージシャンやシンガーが求めるものを知り、それぞれの個性をどのように織り交ぜてユニークな世界を創り上げていくか、曲の背景やストーリーを元に追求します。

CHOCO:なるほど。では音楽をしている時以外、オフステージではどうですか。

SATOKO:スイーツが大好きなので、カフェ巡りをします!リハの合間や本番までの時間があれば、すぐ近くのカフェを探します。とにかくリラックスできて幸せをかみしめていますね。マンハッタン、ブルックリン、クイーンズと、いつも違うところに行くのが楽しみです。

CHOCO:ニューヨークにカフェは山ほどあるので、飽きることなく癒しの場が見つかりそうですね。それではこの対談のメインテーマ、10年前のご自身に対する言葉はありますか?

SATOKO:私は3歳からピアノを始め、4歳からバレエをやり、中学校ではお芝居にハマり、その間マンガが好きで、創作するということがとても好きでした。10年前は好きなことが多過ぎて、それゆえに何を選ぶべきかわからず、自分が中途半端な気がしてとても迷っていました。アニメも好きだったので、声優になりたいと思ったこともあり、養成所に通ったら歌を歌わないといけなくて。でも、既存曲よりも自分の世界観が出せる曲にストーリーを作って歌いたくなって、そしたら自然と音楽にキャラクターたちの命が吹き込まれて。

歌があって、音楽があって、踊りがあって、演技やキャラクター、物語があって。私がやって来たことって、全てがミュージカルの要素なんだ!って、ミュージカルディレクターという役を頂いてから、バラバラに集めていたパズルがピタッとはまった気がしました。

あの頃何を選ぶべきかと迷っていた自分には、「そのままで良いんだよ」って言ってあげたい。好きなことを素直に追求すれば、辿り着くべきところに辿り着くよ、と。

CHOCO:私たちはみんな、はっきりとした基準や指標がないと不安になるのでしょうね。歌も、演技も、結局はア―ティストの個性や背景から生まれるものを視覚・聴覚化した、表現ツールにすぎない。

特に芸術は、漠然とした絶妙さによって感動が生まれたり薄れたりする無形の「生きもの」だと思います。無形のものは、誰か、何かと比べて、初めて識別できるようになる。古いものがむしろ新鮮に思えたり、赤と比べるか、青と比べるかによって、紫という色の認識が変わってくるように。

そんな無形のものに、「芸術」というはっきりとした輪郭を浮かび上らせるのは、そこに感動があるかどうか。どんな高級な絵も感動がなければただの平面画像となり得るし、ガラクタでも心に訴えかけるものはアートとなる。そして感動の種は、自分の心が動いた「好きなことを素直に追求する」姿勢。聡子さんの追い求めたものが一貫していたから、納得するに至ったのでしょうね。若い人や迷っている人は、この言葉に救われると思います。

SATOKO:そうなんですよ、そうやって他のこともやってみたから、やっぱり私はピアノが大好きなんだと心から思えて。やっと腑に落ちた感じがしました。

CHOCO:そういう気持ちは具現化して、観ている側にも必ず伝わりますしね。では、そろそろ最後の質問へ。10年後のご自身について思うことをお願いします。

SATOKO:自分の世界観をもっと音楽化していると思います。

ピアノは、ほぼ全ての楽器の役割をカバーできる楽器。前に出ることも後ろでサポートすることも出来る。ピアノのみでもショウとして成り立ちますが、私はどちらかというと一人では作り上げられない世界をみんなと一緒に創りたい。色んな人たちとお仕事をしたいし、子供が好きなので小さい子供たちを教えたりしたいです。

CHOCO:これからの聡子さんのますますのご活躍を楽しみにしています。本日はどうもありがとうございました。

次回出演
Double Decker Productions presents “Knee’s Up”
日時:6月23日(土) 3pm-5pm
場所:Club Cumming (505E 6th St, New York, NY10009)
「Older generation vs younger generation」チャリティイベント。様々なシンガーやアクターを集めたキャバレーショー
https://www.doubledeckerproductions.org/future-plans/

⑪森聡子

森 聡子 (Satoko Mori)
NY在住ピアニスト。キーボーディスト。ミュージックディレクター。
ミュージカルのピアニストや、キャバレーショーでの様々なシンガーのピアノ伴奏など、シアター系のピアノをメインに活動しつつ、バンドでのキーボード演奏やソロ演奏も行う。たまに歌う。

Playing The Piano As A Volunteer Work Satoko, Pianist
Loop Troupe Family Band
ライブ音源はこちら!!
⑫CHOCO YOSHIOKA

吉岡ちょこ (CHOCO YOSHIOKA)
シンガーソングライター
ACE音楽スタジオ代表
http://acemusicstudio.com/
ALIVEパフォーマンスショウ総合プロデューサー
https://www.alivenyc.net/
京都出身。90年代後半に来米しボストンのバークリー音楽大学を卒業後ニューヨークに移住。パフォーマンス活動の傍ら数々のショーをプロデュース。

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